中国人の爆買いを代表とするインバウンド消費の波は不動産投資市場にも波及していて、外国人投資家の不動産投機が目立った2015年。その他民泊が増えた事による民家の価値の見直しや2020年東京オリンピックに伴うインフラ整備なども注目されました。さて2016年になり、2015年と比べてどの様な変化が不動産投資市場に見られたのでしょうか。

売れなくなった都心のマンション

2016年は不動産投資市場にとって決して好ましくはない年です。不動産の価値は下落気味で、今後もその傾向は続くと予想されます。その凋落が見られる典型例が都心マンションの利回りの低下です。投資目的で都心のマンションを購入する方が増えたのが原因でマンションの購入価格が上がり、そのせいでマンション投資に対する熱が以前よりも下がりました。そうして以前は順調に売れていたマンションがどんどんと空き室が目立つ様になり、バブルと呼ばれる程に勢いがあったにも関わらず今ではすっかりとバブルが弾けた風情となってしまいました。都心のマンションに投機をしていたのはREIT関係が多かったのですがすっかりとバブルが弾けてしまったという噂が駆け巡り、資金が集まらず新たに投資が思うようにできなくなり、それによって更にマンションが売れなくなるという悪循環に陥っています。

災害や事件による景気の冷え込みが目立つ

2016年は熊本で地震と阿蘇山の噴火という2つの大きな災害がありました。それだけではなくたくさんの事件もあり、ポジティブな要素のあまりない年となっています。そのせいもあって景気の冷え込みが目立ち、政府は新たな対応を迫られていますが国民が希望を見いだせる様な政策はまだ何も提示されていません。2020年度の東京オリンピックに対するインフラ整備なども政治的な理由により15年度とは違った雲行きを見せ、不動産投資が活発になる理由が見当たらないのが現状です。

地銀や信金の貸し付けが厳しくなる

2015年時は地銀や信金も不動産業への融資がそれなりに活発だったのですが、2016年になりバブル気味な過熱傾向に危機感を覚えた金融庁が、正当性のある融資か否かをヒアリングするなどしているという話があるなど以前に比べ消極的な傾向にあります。そのためか民泊に合わせた投資も15年度に比べると減少しています。