不動産投資の利回りとは何か

不動産投資の場合、投資の方法としては、株式投資のように値上がりを期待する方法と、不動産を保有してその不動産から発生する家賃収入を得るという方法の2つがあります。今回は不動産投資の利回りということを考えていきますので、家賃収入を得るというやり方についてもう少し深く考えていきます。

では、不動産の投資利回りとは何かということですが、通常銀行預金の場合利回りと言うと、お金を銀行に預けておくと、利息が原則1年に一度銀行から支払われます。例えばA銀行の1年定期預金の場合利息は0.018%ですから、仮に100万円を預けた場合、1年後に銀行から支払われる利息は
100万円×0.018%=180円です。1年ものの定期預金は、1年間原則解約することが出来ませんので、その間預けておくと年間で180円しかなりません。極めて投資効率が悪いということになります。お金を寝かせているだけですね。

では、不動産投資の場合の投資利回りというのはどういうものかと言うと、不動産投資の場合は、不動産の購入価格が投資金額になり、その不動産から生み出される年間家賃収入が利回りを計算するポイントになります。つまり、

年間家賃収入÷不動産の購入価格×100%=利回り(%)

を算出する計算式になります。したがって、例えば都内で利便性の高い千代田区、港区、中央区のワンルームですと、20平方メートル前後の部屋ですと、家賃は月額15万円ほどになり、価格は新築で3000万円ほどですから、そうしますと、

15万円×12ヶ月÷3000万円×100%=6%

という計算になります。そうしますと、利回りという点から考えると、銀行にお金を預けておくよりは、不動産投資のほうが圧倒的に投資効率が良いということになります。ただし、いま計算した不動産投資の利回りですが、これはあくまでも表面利回りになります。実際には、不動産を持っていると、様々な経費がかかります。例えば固定資産税は毎年支払う必要がありますし、入居者が入れ替わった場合には、部屋を元の状態に戻すのは大家さんの義務になります。(原状回復義務)また、家賃相場を間違えてしまったり、立地条件が悪い場合には、入居者がつかないことも十分考えられ、その場合家賃収入を下げる必要があり、そうすると、住宅ローンを借りて購入している場合には、支払い計画が頓挫してしまう場合もありますので、物件選びはとても重要であるということがいえます。

不動産投資の利回りの相場について

それでは、不動産投資の利回りは実際にどのくらいなのかということを考えていきたいと思います。不動産投資の場合の投資利回りは、都心の物件になると、利回りは全国的に見るとあまり高くはありません。その理由としては、都心の場合取得価格が地方と比べると高く、家賃も新築だから極端に高くしたりすることも出来ません。実質利回りとしては4%前後くらいになります。中古マンションになると、値下がりをしている場合があるので、当利回りとしては6%くらいまで上がる傾向があります。ただ、マンションの場合は、よほどしっかり管理をしておかないと、家賃は下落傾向になりますので、その点は注意が必要です。

高利回りということから考えると、地方都市のマンションは高利回りのものが多く見受けられます。例えば、札幌のすすきのに建っているマンションなどには、表面利回りが10%を超える物件はかなりあります。福岡なども同様です。ただ、オーナーがそれらの地方都市周辺に住んでいれば、管理がしやすいですが、都内や大阪などに住んでいると簡単に物件を見に行くという事も出来ませんので、そのあたりは地方都市物件のリスクという事もあります。

家賃収入がほぼ定期的に確実に確保できるということが、不動産投資では最も大事なポイントですので、その点から考えると、低利回り傾向の都心の物件を保有している方が、地方物件よりは絶対的人口が多い分、リスクが低いということが言えます。